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2015年06月13日

Daiwa Sportline ST-5 / Sport Matic GS5000 分解清掃

前回に続いてダイワのスピニングリールです。
この機種に関心のある人はもう少ないかもしれません。
というのもSTシリースは当時、かなりの数が売られたかも
しれませんが、塗装が強くはないのでボロボロの外観になり
たぶん、多くの人は捨ててしまったかもしれませんね。
Daiwa Sportline ST-5 / Sport Matic GS5000 分解清掃


スポーツラインST-5(1977)とスポーツマチックGS5000(1979)を分解してみます。
多分、どちらもスピニングリールのごく基本的な構造なのかも
しれませんが、現代の定価30Kから50Kもするような高価な
リールの構造は知らないので、私には何とも言う事はできません。




Daiwa Sportline ST-5 / Sport Matic GS5000 分解清掃


ボディカバーとスプールを外したところ。
もうスプールの駆動の仕組みが違うことがわかります。





Daiwa Sportline ST-5 / Sport Matic GS5000 分解清掃


GS5000はドライブギヤーにオシレーティングスライダーという
プレートが付けられて、これがメインシャフト(スプール軸)を
前後に動かしています。見るからにフリクションロスが多そうです。
このせいで、ハンドルを回した時の感触はトルク変化があって良くありません。
正直安っぽいリールみたいです。
また、ボールベアリングが見えますが、こちらの側にしかありません。
なぜ対称に取り付けないのかは、多分売価との兼ね合いなのでしょう。





Daiwa Sportline ST-5 / Sport Matic GS5000 分解清掃


ST-5はハンドルを回した感触はGS5000よりもっと良いです。
でもプレートの代わりにオシレーティングギアを使っているものの
ギアとメインシャフトとの連動はオシレーティングスライダーという
これまた擦り合わせながらずり動いているパーツを使っているので
フリクションロスはあるようです。
当時の売価4K台のリールですからね。





Daiwa Sportline ST-5 / Sport Matic GS5000 分解清掃


GS5000のボディ内部。ローターのストッパーが内部にあることがわかります。
また、スプールのメインシャフトと連動するオシレーティングサポーターという
パーツがボディ内部の溝を擦りながら動くことがわかります。




Daiwa Sportline ST-5 / Sport Matic GS5000 分解清掃


ST-5のボディ内部。オシレーティングギアの軸には勿論ベアリングなどは
ありません。ハンドル軸の穴にある白いパーツはボディカラーという
樹脂製パーツでベアリングもありません。GS5000も右側は
ボディカラーだけです。GS5000も当時の売価は5K台ですので
こんなものかも。





Daiwa Sportline ST-5 / Sport Matic GS5000 分解清掃


二つのリール。この中で単純に交換できそうなのは
ベイルアームの付いたローターAssyかもしれません。
とりあえずドライブギア(ピニオン)に取り付けられるようです。




Daiwa Sportline ST-5 / Sport Matic GS5000 分解清掃


GS5000のピニオンに取り付けられたラチェット(ストッパーギア)と
ストッパー。ストッパーで逆転を防止するようにした際、
ラチェット音がしますが、正直、ST-5より安っぽい音です。
このラチェットギアを割って破損したことがあるのですが、
径も小さいし、無理が掛かり易いのかもしれません。




Daiwa Sportline ST-5 / Sport Matic GS5000 分解清掃


ST-5のストッパー機構。ラチェット(ストッパーギア)の径も
大きいのでこちらのほうが丈夫そう。
ただ、この部分はローターとの隙間から砂やゴミが入り易いので
不用意に砂浜などでリールを置いたりしないほうが良いようです。
ST-5の前身であるスポーツライン5000(1975-1979)ではこの部分に
「随所にステンレス材を多用」と書かれていますが、比較してみたい
ところです。はっきり思い出せませんが、5000のほうが売価は
ちょっと高かったような気もします。
ちなみに79年からはスポーツラインST-1000~ST-6000の6機種が
発売されますが、カタログ文句を見ると、そうも内部機構は
スポーツマチックGS5000と同じような雰囲気です。






Daiwa Sportline ST-5 / Sport Matic GS5000 分解清掃


GS5000とST-5のローター内部の軸部分。
どちらもこの部分にはベアリングが入ってます。





Daiwa Sportline ST-5 / Sport Matic GS5000 分解清掃


ダイワが発行していた「釣魚全集」(発行年度は書かれていないので不明ですが
後ろが簡単なカタログになっているので70年代後半と推測できます)には
リールの機構について書かれています。ドライブギア直止型というのも
あったそうです。ちょっと見てみたいような気もします。
これによるとやっぱりST-5のようなローター直止型のストッパーのほうが
丈夫らしいです。GS5000ではどうしてストッパーを内部にしたかというと
砂などのゴミ対策だとカタログには書かれています。
でも実際には部品点数が減りますし、工数も減るでしょうから
コスト削減が大きいのかも。





Daiwa Sportline ST-5 / Sport Matic GS5000 分解清掃


ST-5のドライブギア。ダイカスト製なのでしょうか。
軸の下にはオシレーティングギアを駆動するギアが付いています。





Daiwa Sportline ST-5 / Sport Matic GS5000 分解清掃


GS5000のドライブギア。軸の下に付いているのはベアリング代わりの
樹脂製ボディカラー。





Daiwa Sportline ST-5 / Sport Matic GS5000 分解清掃


GS5000のドライブギアの上部。オシレーティングスライダーという
プレートを擦り合わせながら動きます。
ギアの軸の上に付いている黒いパーツはハンドルカラーというもので
ハンドル軸のハンドルスクリューの緩み止めを兼ねているそうです。
このパーツのせいでST-5とのハンドルの軸の長さが異なります。




Daiwa Sportline ST-5 / Sport Matic GS5000 分解清掃


スプール軸であるメインシャフトの比較。手前が太く写っていますが
シャフト径は同じだったかも。計っていません。
下がGS5000ですが、ダイワでは「スプールシャフトを従来の2点支持から
3点支持にし、強度、耐久性をアップ」と言っていますが
どうなのかな。





Daiwa Sportline ST-5 / Sport Matic GS5000 分解清掃


ローター部分。ベイルアーム類を含めおそらく唯一の共用部品?




Daiwa Sportline ST-5 / Sport Matic GS5000 分解清掃


スプール。メインシャフトのスプール部分がGS5000は太いので
共用は出来ません。




Daiwa Sportline ST-5 / Sport Matic GS5000 分解清掃


スプール裏部分。ここのメインシャフトの内径も異なります。




Daiwa Sportline ST-5 / Sport Matic GS5000 分解清掃


ドラグノブの構造も異なります。GS5000にはスプリングが入れられて
いるようです。ST-5はただのナット代りかも。




Daiwa Sportline ST-5 / Sport Matic GS5000 分解清掃


ドラグノブの表に書かれていることも異なります。




Daiwa Sportline ST-5 / Sport Matic GS5000 分解清掃


ハンドルはノブ部分の形状が異なります。ハンドル軸の長さも違います。





Daiwa Sportline ST-5 / Sport Matic GS5000 分解清掃


再びST-5の内部




Daiwa Sportline ST-5 / Sport Matic GS5000 分解清掃


再びGS5000の内部。
見るからに、滑らかさは素材の摩擦の兼ね合いとオイルにかかっているようです。





Daiwa Sportline ST-5 / Sport Matic GS5000 分解清掃


ST-5のオシレーティングギアとギアのポッチに沿って摺り動く
オシレーティングスライダー。ギアのポッチが回転しながら前後に動くので
それにそってスライダーに取り付けられたメインシャフトがスプールを
前後に動かします。





Daiwa Sportline ST-5 / Sport Matic GS5000 分解清掃


GS5000のメインシャフトとオシレーティングサポーター。





Daiwa Sportline ST-5 / Sport Matic GS5000 分解清掃


GS5000のボディ内部のオシレーティングサポーターをガイドする溝。
ここをサポーターがずり動きながらスプールを前後に動かします。





Daiwa Sportline ST-5 / Sport Matic GS5000 分解清掃


ダイワの「釣魚全集」に書かれていたスプールのストローク減速機構に
ついての記述。スポーツマチックGS5000は減速機構を持たないリールに
なりますが、利点については書かれていません。
これも部品も減りますしコストダウンなのかな。
ST-5とGS5000は同じギア比で1:4.7ですが、スプールの前後往復運動は
ハンドル1回転あたり、おおよそST-5で片道だけ、
GS5000だと1往復ともうちょっとプラス、といったところで
GS5000のスプールの前後運動は早いです。
これだとスプールに巻かれるラインには角度が付き易く、
当時の知識として?投げ釣りなどにはいいのかもしれません。
現代はもっと良いものがあるのかもしれませんが。

Daiwa Sportline ST-5 / Sport Matic GS5000 分解清掃


ストローク減速機構をもったリールの利点について書かれています。
たしかにGS5000よりもST-5のほうがハンドルを回した時の滑らかさの
違いは明白にあります。巻き始めも明らかにスムースです。





Daiwa Sportline ST-5 / Sport Matic GS5000 分解清掃


ST-5の部品図。部品点数52点です。





Daiwa Sportline ST-5 / Sport Matic GS5000 分解清掃


GS5000の部品図。部品点数は46点です。





Daiwa Sportline ST-5 / Sport Matic GS5000 分解清掃


ST-5とGS5000の諸元表





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アジャスタブルローラーシステムとエコノマイザーについての説明。





Daiwa Sportline ST-5 / Sport Matic GS5000 分解清掃


GS5000は砂浜でのキス釣りによく使ったので、やっぱり砂が入り込んでいました。





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当時は面白く読んでいたダイワの出版物。全部70年代後半のものかも。
ダイワ釣魚全集(No.4)
続ダイワ釣魚全集(No.6)
ダイワ 海川釣り百科(No.5)
ダイワ 海川釣り解説(No.7)
ダイワ ルアーフライ(No.8)1979年頃

自社製品を買わそうとする試みも混ざっていますが、これは面白かったと
思いますし、参考にもなり、他種の釣りにも関心を持つきっかけに
なったかも。でもルアーはあまり・・・フライに至っては参考にならなかったかもです。
ダイワの製品はどこの釣具店でも普通に並んでいたので
こういう出版物もいいのかもしれません。




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